多くの国家・政府は維持不可能になり事実上解体され、代わりに『組織』による統治が行われている。
これは多くのS.H.I.P.が何らかの会社や軍に所属していたこと、国は人類が持つべきものという思想からくるもので、実態としては小規模な政府を形成している組織が多い。
艦船国際連盟により、以下のことが義務付けられている。
- 各組織は【人類復古】のために協力し、組織人員への保障を行うこと。
- 組織ごとで維持可能な総人口数に上限があり、超過した場合は人口拡張申請と共に多額の「人類扶助費用」を納めること。
- 全ての組織人員の労働は人類のための奉仕行動である、就労可能年齢に到達次第就労すること。
- 就労可能年齢で、一定期間以上の就労ができない者は仮組織脱退者とし、猶予期間をさらに超過した場合は脱退と見做す。
- 復職が困難であったり長期休職者ないし組織未所属・脱退者に関しての援助行為は「組織所属者への福利厚生」として数え、被援助者は正式な手続きがなくとも組織所属と見做す。
- 組織は労働によって得られた利益の一部を人類に還元すること。
- 規定違反が複数回見られるようであれば人員異動や組織解体を行う。
⒉により多くの組織が個人の生涯出生数を制限しており、抽選による許可制をとっている。
(念のため注釈すると、元より物資の乏しく環境が厳しいので、多胎動物を元とする種を維持するための出生抽選許可制が敷かれている)
上記制度により組織脱退後の再加入や別組織への編入は極めて困難。
組織の敷地外にも集落は存在しているが、インフラは乏しく困窮しており、組織未所属者が運良く加入できても貧困からくる経験差で多くが脱退していく。
特に亜人はその特質から制度の恩恵を受けづらく、外部に存在する多くの集落が亜人だけで構成されている。
多くの組織で秘密裏に外部援助は行われているが、組織加入者と被加入者、嵌合種と亜人の間の溝も深く、現在の人類優先体制の変革へ歩むにはまだまだ時間が必要である。