氷食

竜枝に接触・寄生されることで発生する疾患。
発症は竜枝接触から約12時間以内。進行初期は凍瘡・譫妄程度だが、侵食が進むにつれ体温調節機能が低下し低体温症となる。重症の場合は末端壊死・急性脳炎・多臓器不全を引き起こして死に至る。高濃度粒素構成体の場合、接触部分を中心とした広範囲の欠損(粒崩壊症)が進行する。
大量の竜枝に寄生された場合、「竜嚢(りゅうのう)」と呼ばれる氷のトゲが体表に発生する。患者が死亡した場合、竜嚢にあらたな竜枝が充填される。
患部から枝状に伸びる紅班がある他、竜枝が分泌する粒化合物質がエンドルフィン過剰分泌を引き起こすため、譫妄や多幸感からくる異常行動が目につきやすい。


治療は主にグラメリチン投与による竜枝除去。進行初期であれば外科手術で除去することも可能だが、残留竜枝による再発を防ぐため併合してリゾムロップスの投薬治療を行う。
保温によって進行を遅らせることは可能だが、接触後24時間以内の処置が見込めない場合の死亡率は60%のため、早期発見と処置が不可欠となる。
特に高濃度粒素構成体は竜嚢の残留や恒久的欠損などの後遺症が残りやすいため、竜枝を含む【竜氷】やスライムには近づかない他、定期的な砕氷を行い地域や組織一丸となった予防の取り組みが望ましい。予防と早期治療が徹底されて尚、年間200件以上の被害報告があり、撲滅には程遠い。